Home> electronics > PSoC® 3 Mega Workshop @大阪 に行ってきたよ

PSoC® 3 Mega Workshop @大阪 に行ってきたよ

とある晩、寝る前にホテホテとウェブを検索巡回していて、不意に知ったPSoC3/5ワークショップ開催。
EP2サンプルを取り寄せてから眠り続けているCY8C3866を使うために買ったMiniProg3の出番か!...と思いきやFirstTouchKitベース。

「何にせよ、これは行かねば...」

20110203_megaworkshop_01.jpg

当日は9時30分から受け付け開始で10時スタート。

会場のブリーゼタワー7Fまで20分くらいで行けるので...と油断していたら到着したのが9時55分でした。
(セミナー会場がブリーゼタワーの商業ビル側からしか入れないという罠に掛かって5分ロスした)
受け付けで名前を告げると、入場証と記念品を渡され、そのまま会場へ。

会場は既に満席で、サイプレスジャパン?の人に正面中央最前列へ案内されて着席。机には分厚いテキストが。
AC100V電源は一人に1口割り付けられていたので、FTKとノートPCをセットアップし、程なくワークショップ開始となりました。

流れとしては、

FTK動作確認→PSoC概要とPSoC3/PSoC5の特徴解説(座学)→実習→昼弁当→実習→休憩→実習
という感じだったはず。(既にうろ覚え...)

会場の様子はこんな感じ。ブリーゼのホールは綺麗。

20110203_megaworkshop_02.jpg

実習と座学の内容は下記の通り。Lab~って描いてあるのが実習項目。(配布されたテキストからの引用です)

PSoC® 3 Mega Workshop@大阪の内容
  • Lab0 Training Kitの動作確認
  • PSoC® とは
  • PSoC® 3/5 Application Examples
  • PSoC® 3/5 アーキテクチャの紹介
  • Lab1-1 PSoC Creatorの使い方
  • Lab1-2 PWMを用いたLEDの制御
  • Lab1-3 MCUを用いたGPIO操作
  • Lab1-4 GPIO割り込みの使い方
  • Lab2 ADCの使い方
  • Lab3-1 カスタムコンポーネントの作り方
  • Lab3-2 APIの追加
  • Lab3-3 Verilogによるカスタムコンポーネントの実装
PSoC Creatorの使い方がよく分からなかった私としては、一通りの操作を覚えられただけでも大きな収穫でした。
回路図を描くようにコンポーネントを配置して設計を進めてゆく、という点はPSoC Designerからの大きな変化だと思います。
電子回路が読み書きできるPSoC初学者に対して一層優しくなった感もありますが、モジュールを配置する時に後どれくらいリソースを使って良いのか視覚的に把握しづらくなった気もします。
もちろん使い切ったらIDEがエラー吐くんでしょうけど。
(リソースの残りをどうやって把握するのか聞けば良かった。誰か東京会場で聞いて報告してくれると嬉しい!)

午前中に会場からの質問やサイプレスJapanの人から聞き取った情報としては、以下のような感じ。

- (会場からの質問)ダイナミックリコンフィギュレーションは?→現在非対応。
- 配布サンプルアプリのLab1-4Completeに誤字があるので注意。(isr_→isr_1_が正しい。東京会場では修正されてるはず)
- FTKでは、ROM焼き後のリセットがうまく動作していないので、USB抜き差しが必要
-- MiniProg3での焼き込みについては問題ない。将来的にはFTKもPSoC Creator側で対応したい
- Programしようとしても、デバイスセレクトが出てくるだけで焼けない!
-- チップのリビジョンがES2/ES3/Productionと違うため、Project>Device Selectorから正しいチップ/リビジョンを選んでからリビルドすると幸せになれる

ダイナミックリコンフィギュレーションに対応してないのはちょっと寂しいですな。
自宅でCreator触ってても、Programの部分とか初歩的な部分で詰まっちゃうと「サポートに連絡して返答待って...」と考えるとモチベーション下がってしまうので、この辺はホント参加して良かったなーと。

割り込みの指定方法もPSoC1の時ほど手間掛けなくても良くなってますね。

で、例の如く、(というか弁当付きのPSoCワークショップは初めてでしたが...)弁当を食べて午後の実習へ。

20110203_megaworkshop_03.jpg
Twitterのタイムライン見ながら弁当を食べてました。

ご飯の後一服して会場に戻り、広報のテーブルで展示されていたPark社のPSoC評価ボードとFutaba社のVFDサンプルを眺めたり。
VFDってのは、よくスーパーマーケットなどのレジスターで価格表示部に使われている、あの緑色のデジタル表示装置です。
で、なぜVFDが今回のワークショップで展示されているのかというと、静電容量式タッチパネルタイプがラインナップされているから。
若い営業担当さんと時間一杯まで色々お話させて頂きました。
タッチパネルは高価なITOじゃなく、アルミ配線なんだそう。(VFDの製造プロセスと同じマシンでパターン形成できるので、生産しやすいらしいです)
他にも細々とした情報を貰って、本業のほうで使えないか頭の中で思案したりして楽しかったです。

午後からは、PSoC3/PSoC5の高性能なところを引き出して行く感じです。
Lab2の内容で、ADCをサクッと。加速度センサの値を読んできて、傾けた方向に応じてLEDアレイの点灯セグメントを選択するデモ。

- FTK付属の加速度センサの配線方法は決まっているので、FTKで遊ぶ場合はサンプルソースを参考にして欲しいとのこと。
- AMUXは32入力まで増やせる(最大まで増やすと壮観。)
- ADCはコンフィグごとに複数の設定をひとかたまりで保存しておき、呼び出すことでサンプリングレートなどをAPI経由で切り替えられる
- 開発に必要なデータシートは3種。
-- デバイスデータシート
--- パッケージサイズやピン配置や電気的特性など、各種チップラインナップごとの情報
-- TRM
--- PSoC3/5で共通の内容と、そうでないものがあるので個別に参照必要
-- コンポーネントデータシート
--- APIの叩き方などの参考に。ウェブ上でもPSoC Creator側からも参照可能。IDE上でAPI一覧がブックマークされているような感じなので、PSoC Designerの頃より便利!
- (会場からの質問)チャタリング防止回路は?→アプリケーションノートがあります。(配付資料281ページ参照)
- (会場からの質問)ADCのMultiSample TURBOモードはどういう時に使う?→17bit~20bit使う場合に、効率が良くなるらしい。4倍くらい速い、という記述がコンポーネントデータシートにあります。

で、休憩。
仕事の疲れと、弁当の消化で若干眠くなってきた辺りでしたので助かりました。
休憩中に一服しに行ったら教官役の人がおられたので、軽くお話したり。
実は前日の夜にPSoC Creator1.0のベータが取れて、正式版のアップデータが流れてきていたのですけど、サイプレスJapanの人も驚いてました。
今回のワークショップ中、サンプルプロジェクトを開くたびにコンポーネントのアップデートを求められて、「今回はそのまま何も変更しないように開いて下さい」と言われていたので、何か理由があるのかなーと思いきや、「大阪に間に合うとは思ってなかったんで単に検証しきれてないからなんですよー」とのこと。
なので、別にアップデートしちゃっても良さそうです。
気がつくと、休憩時間が終わっていたので急いで会場に戻りました^^

最後の実習は、自作ユーザモジュールとでも呼ぶべきカスタムコンポーネントの作成と、簡単なverilogコード生成の手順。
ルックアップテーブルをベースにカウントアップタイマーを作成し、それにAPIを割り当ててモジュール化したり、Verilogコードを生成して似たようなモジュール作ったり。
手順がクリティカルなので、きっと解説書がないと手を付けなかっただろうなー...という内容でした。

- カスタムコンポーネント名とプロジェクト名は別でもOK
- PSoC Designerであったプロジェクトのクローン機能はなくなった。その代わりにプロジェクトをアーカイブ化する機能が追加された
-- インクリメントで自動バージョン番号が振られるので管理しやすい、プロジェクトファイルサイズを小さくできる(PSoC Creatorのプロジェクトはデカい...)。配布向き。
- (会場からの質問)生成したVerilogコードのファンクションチェックはどうやって検証をすればよい?→component_author_guide.pdfに各種ツールが記載されている
- (会場からの質問)デバイスタイミングはチェックできるのか?→PSoC Creatorのプロジェクトワークスペース"Results"にタイミングレポートが記載される予定(Betaには記載ない)

実習を全部終えた後に、補足情報もありました。
- 生成した機能に適したチップを、自動的に選ぶ機能も追加される予定。ユーザはPSoC3か5かを選ぶだけでよくなる。

実習を通じて感じたのは、PSoC CreatorってのはPSoC Designerと似て非なるツール、ということ。
Cやアセンブラでゴリゴリとアルゴリズムを実装する部分は変わらずですが、確実に進化していると同時に、出来ることが一層多くなって混乱しちゃいやすいかも知れません。

またラインナップ全体を考えると、PSoC1もまだまだ試作の容易さや価格的なメリットがあるので、初学者はPSoC Creatorから入るとPSoC Designerを使いたいと思った時に使い勝手に辟易しちゃうかもです。
(PSoC1自体かなり独特でしたから、PSoC Designerもああいう風にならざるを得なかったとは思います...)

個人的に自作すべきネタも溜まってきているので、まだまだしばらくPSoC1も使いつつ、来るべき時に備えてPSoC Creatorにも慣れておこうと思います。

ちなみにFirstTouchKit(以下FTK)については、参加申し込み完了メールにCypressストアから50%オフで購入できるクーポンが発行されました。
試しにいくつかカートにぶっ込んでチェックアウトに進むと、購入金額全体に50%オフが掛かっていたので、他の評価キットやチップもついでに買っておくと超お得だった感じです。
(私は手元在庫が切れそうだったCY8C29466を5個ほど50%オフで一緒に買いました)

以上、レポートになっているのかよく分からない内容になってしまいましたが、とりあえず今回はこの辺で。
東京組もレポート誰かやってくれると期待しつつ!

Trackbacks:0

TrackBack URL for this entry
https://w3neu.net/mt/mt-tb.cgi/248
Listed below are links to weblogs that reference
PSoC® 3 Mega Workshop @大阪 に行ってきたよ from Sequentially Altered Days

Comments:0

Comment Form

Index of all entries

Home> electronics > PSoC® 3 Mega Workshop @大阪 に行ってきたよ

Categories
Archives
Syndication

Return to page top